今回は、特にタイル張りなどの「モルタルのお風呂場」がある場合に見ていただきたい事例です。
ユニットバスと違い、湿気が屋根裏に上りやすいので特に屋根裏換気には注意が必要です。
換気棟をご存じですか?
屋根裏(小屋裏)に空気を循環させて換気することは、建物の寿命や快適さにおいてとても重要なポイントです。
一般的な戸建て住宅は木材ですので、湿気が屋根裏に上がり高湿度状態が続くと屋根の下地木材を腐らせブヨブヨにしてしまいます。(何度も見てきました。)
カビも発生しやすくなります。
換気棟には、室内から上がった湿気を屋根から外に放出するという重要な役割があります。
しかし今から20~30年前までは換気棟の重要性が知られておらず(そもそももっと昔の気密性が重視される以前は隙間風がよく入り通気性が良かったので必要なかった)、構造上屋根裏の換気ができずに屋根が傷んでしまう事例が多々あります。
換気棟を取ったら穴が開いていなかった、なんてこともありました。
当時取り付けた職人さんが換気棟がどういうものか知らなかったのでしょう。
我孫子市の戸建て住宅にガルバリウム鋼板で換気棟を制作、取付
ディプロマットスターに合う既製品の寄棟用換気棟は発売されていません。
ガルテクトという別の金属屋根材メーカーさんから発売されている換気棟を取り付けることも可能ですが、既製品の換気棟はやたら高額です。
必要だ、とわかっていても塗り替えのように効果が目に見えてわかるものではないので、お客様の心理的な負担もあることでしょう。
そこで今回もガルテクトの既製品よりも低予算で、ディプロマットスターに合うガルバリウム鋼板加工で換気棟を制作、取付をいたしました。
換気棟の土台には樹脂木を使用
ディプロマットスターの施工が8割まで来たところで換気棟の加工に取り掛かりました。
新しく取り付けるガルバリウム鋼板の換気棟の下地には木ではなく樹脂木を使用します。
木は万が一雨水や湿気で劣化が著しく早まるので、樹脂木を使用した方長寿命になります。
樹脂木にガルバリウム鋼板を加工したものを被せ、さらにそこにリッヂベンツという棟換気材を加工して取り付けます。
年間50,000棟以上に使用されている信頼できる建材です。
ガルバリウム鋼板の加工はハサミで行う
ガルバリウム鋼板の切断はディスクグラインダー(サンダー)や丸ノコなどの電動工具を使えば速いのですが…
屋根の上でこれらの工具を使用して切断すると鉄粉が飛び散り、ホウキやブロワー(強力な風の出る機械)・掃除機で清掃してもどうしても細かい鉄粉が残ってしまい、それが風で飛ばされて屋根や外壁に付着し数週間もするとサビて赤い点々となって現れます。
屋根の棟板金は焼付塗装なので発生したさびも比較的除去しやすいのですが、下記のように笠木などに飛び散るとかなり厄介です。
そうなると見た目も非常に悪くなりそこからサビが広がることもありますので、私は屋根の上ではディスクグラインダー等の工具を使用せず、電動ハサミを使用しています。
ディスクグラインダーや丸ノコを必要とする作業は必ず地上で行います。
近隣のお住まいに付着してご迷惑をおかけする可能性もありますので、ご近所トラブル防止のためにも屋根の上での切断作業には注意が必要です。
余談ですが、ディプロマットスターを加工する際は表面を加工している石粒を一緒に切らなければならいので、だいたいひと現場ちょっとで交換しないと切れ味が悪く、加工の品質が落ちます。
換気棟の取り付け
我孫子市の屋根カバー工事と換気棟加工 完成!
今回もうまいことディプロマットスターに合わせて加工ができました。
そもそも寄棟屋根は切妻屋根に比べて屋根裏の構造上湿気を逃がしにくく通気性がよくないので、湿気にお悩みでしたら換気棟の取り付けをお勧めいたします。
通気されているかのチェックや診断・お見積りはもちろん無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
これでお住まいの中の多湿状態からも少し解放されるとよいのですが!
工事を終えて
我孫子市にお住まいのお客様から金属屋根カバー工事のご依頼でしたが、お話を聞いている中でお住まい内部の湿気や結露にお悩みの様子でした。
屋根裏はじめじめしており明らかに換気が悪い状態でしたので、換気棟の取り付けをお勧めさせていただきました。
湿気は1日、2日で抜けるようなものではないので、徐々に施工前との違いを分かっていただけると思います。
この度は誠にありがとうございました!